2006年 07月 12日
能『松風』『鉄輪』
『松風(まつかぜ)』は須磨が舞台で
旅の僧が、松風・村雨という2人の海女(の幽霊)に出会い
夢幻の体験をするお話。
在原行平を思いつづける姉妹の恋慕と苦しみが描かれます。
『鉄輪(かなわ)』は京都が舞台。
自分を捨てた夫を憎むあまり、妻が鬼に化身する。
夫は鬼妻を退治するため、陰陽師・安倍晴明に助けを求めるという
なんだか情けない話。(自分で闘うか潔く死ねっつーの。)
開演前の解説で、”月”がポイントです、というお話があった。
『松風』の中で月が出るところがある。
(もちろんスポットライトで照らすなんてことはないので)
どの方向に、どんな月がでるのか想像してください。
とのこと。
こういう解説ってありがたい。
でも結局わしには分かりませんでした。
あからさまに「あ、月だ」と見上げる演技とかないですから!
相変わらず、シテの表現をあまり分かってないわしですが
今日はひとつ感じたことが。
松風が松の木(=彼女の中では行平)に寄り添うところで
能面がかすかに微笑んで見えたのです。
おそらくちょっとした角度でそう見せるのだと思うけど・・・
もしくはわしが勝手にそう見てしまったのかもしれないけど・・・
とても貴重な一瞬を味わいました。
万
by aundo2005
| 2006-07-12 21:47
| Stage