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大人計画 『まとまったお金の唄』

5年ほど前からかな、大人計画の芝居を毎年見にいってるわけですが
ほとんど感動したことがありません。
感心したり唸ったり悔しがったりもない。
つまり、わからない。
松尾さんの意図しているものがおそらく見えてないんだろうなぁとか思う。
(クドカン作の芝居はわかりやすんだけど)
なんで見続けてるかというと阿部サダヲのファンだから、なんだけど。

そんな中で今回の『まとまったお金の唄』は
ストーリーが分かりやすく、ほどよくいい話で面白かった。




なんと1970年の大阪が舞台で、全員大阪弁。
非関西人のしゃべる大阪弁。
それが芝居もコテコテ系だったせいか、あまり気にならず。
というか上手い!と思った。
特に荒川良々の”大阪のおばちゃん”っぷりは絶品で、
藤山寛美を彷彿させるものがありましたよ。(多分、意図的な演出)
わし今まで、どーにもこーにも荒川良々が生理的に苦手で
どんな芝居を見ても「ふーん」で終わってたんだけど
この舞台で、好きになりそうって思った。
もしかしたらすごい役者さんなのかも。

大阪万博、太陽の塔、連合赤軍、中ピ連、とかいうモチーフが
今の観客にどれほどアピールするのか疑問ではありましたが
そういう時代の雰囲気と
大人計画お得意の”エロ”とか”汚いもの”とか”醜いもの”がマッチしていて
けど松竹新喜劇風の”泣かせ”もあったりして。
満足度が高かったのである。

阿部サダヲのテンション、ほんとに毎回すごいです。
唄も踊りも、すごく上手いの。
でも全然カッコよくない。
後ろの席に座ってた女の子が「うわ、キモチ悪」って漏らしてましたし。
看板俳優なのにキモチ悪がられるなんて
逆にカッコイイ。

あと重要なのが笑い。
松尾スズキの笑いは、笑いのプロが作る笑いより笑えるかも。
『博士の愛した数式』的コント(と呼んでいいのか)は
面白いと同時に「よくできてる!」と感心もしてしまい
一度見ただけでは咀嚼できないくらいの濃度だった。

結局わしは笑いたくて見にいってるのか。な。


by aundo2005 | 2006-06-09 13:15 | Stage