安物ワインばかり買っているのが、そもそも悲劇の始まりだったのだ。
しかし、安いといってもワンコインではないよ、今回は780円もした。
ビールを飲み終わり、次にワインの栓を開けよう。
コルク栓ではなく、最近よく見かけるゴム製の栓である。
ギリギリギリギリギリ…。
これがまったく開かないのだ。
溶着しているのではないか。栓と瓶がくっついていて、全くぴくりともしない。
愛用のソムリエナイフを何か所もごりごり押し込む。
そして、足の間に挟んで渾身の力で抜こうとする。
汗がふき出してきた。
とつぜん、嗚呼!
あまりの固さにソムリエナイフのちょうつがいが壊れた…。
とりあえず、ビールをもう一缶あけて、
あた、あた、アタマを冷やそう。
ソムリエナイフが撃沈したならば、次なる刺客は、
酒屋さんでもらった安物ワインオープナーだ。
幾度もねじ込み、スパイラルの孔を穿とうとする。
だが、これもダメ。どうしても動かない。
抜き差しならない、とはこのことか。
うぐぐぐぐぐぐ…。
ワインオープナーを差し込んだまま、今度はさらにゴム栓とガラス面の間に、つまようじを何本も投入。
が、どれも途中でボキボキ折れる。
この時点でワシの血圧はかなり上がっている。暑い。
とうとう奥の手。
たこ焼きをひっくり返すための千枚通しを、
ゴム栓とガラス瓶の間に、ごりごりごりごり押し込んでいく。
少しでも空気を入れようと、千枚通しの柄に力をかける。
ギリギリギリギリギリ…。
突如、千枚通しの柄が、ぼっきり折れる。
わーっ!わーっ!わーっ!わーっ!わーっ!
なんじゃこりゃ!!
れれれ、冷静になろう。
ワインオープナーと千枚通しの先とつまようじ数本が突き刺さって、へんな針山のようになった瓶を放置し、ビールを飲み干す。
ずごごごごごごごご…。汗がだらだら。
しばらくしてまた、オープナーをギリギリと抜きににかかる。やっぱりダメ!!
怒り心頭に達するとはこのこと、おもむろにカナヅチを出してきて、
上からゴンゴンたたくという暴挙に出た。
ほんの数回であっけない幕切れ。
ワインの瓶の注ぎ口が斜めに割れた。
気が付けば、左手が血まみれ。大惨事のまき。
いろいろな部品が散らばった台所で、やっと開栓できたワインをグラスに注ぎ、ごくごくとヤケ飲み(ガラス片を飲み込んだかもしれない)。
そして流血の左手をかかえつつ、写真を撮った。

最近、「スイーツ大好き女子で~す」みたいになっている蛙芸堂ブログに、
『猟奇的な酒好き』の風を吹き込んでみました。
皆さんも、ワインの栓がコルクでないときは気を付けましょう。
久